■相続
人間はいつか死ぬもの。
その時が突然訪れることも珍しくありません。私の場合も父親が当然肺炎になり、あっと言うまに無くなりました。
親の死によってその配偶者と子供は当然のように親の財産を相続することになります。
誰にもで訪れるであろう相続の流れをここで学んでいきましょう。ここでは特に不動産の相続について述べていこうと思います。
まずやること
おおまかな流れは以下の通りとなります。
①遺言書の確認
②相続人の確定
③遺産の調査
④相続方法の選択(3ケ月以内)
⑤遺産分割協議
⑥相続税の申告・納付(遺産が控除額以内なら不要)
⑦遺産の名義変更
①遺言書の確認
遺言書には3つの種類があります。それぞれ法的な効力を持ちますが、自筆証明遺言書は方式に不備があると無効になる為注意が必要です。
まず先に述べておくと、遺言書を残している人の割合はとても低く、1割以下とされています。
ほとんどの家庭では遺言書を残しておらず、基本的には相続人の話し合いで相続が決まるケースが多数と言えます。
・公正証書遺言
遺言者が公証人の前で遺言の内容を口述し、証人2人以上の立会のもと、公証人がその内容を文章にまとめ、遺言者と証人が内容を確認して署名・押印することで作成される遺言書です。
公証役場で作成します。
・自筆証明遺言
全文自書、日付の記載、氏名の記載、押印の要件を満たさないと無効になります。
・秘密証書遺言
遺言内容を秘密にしたまま、遺言書の存在を公証人に証明してもらう遺言書です。
遺言書については、生前にあらかじめその【有・無】と【場所】を聞いておくと楽ですが、聞いていない場合や、生前に遺言書のことを何か言っていたなぁと思いだした人で、実際の有無、場所が分からなかったどうしたたいいのか説明していきます。
公正証書と秘密証書遺言は公証役場にて遺言検索システムで有無を確認することができます。
自筆証明遺言は一般的に自宅や貸金庫などに保管されていることが多いですが、自筆証明遺言書保管制度を利用している可能性もあります。その場合は法務局で有無を確認出来ます。
②相続人の確定
遺言書がある場合は、遺言書に記載された人が相続人になります。(注:遺留分の請求が認められた相続人から遺留分を請求されることがあります。)
遺言書が無い場合は、亡くなった人の戸籍を調査し相続人を確定させます。
相続人になれる人、またその順位があり、前の順位の人が相続人になれば、次の順位の人は相続人になりません。相続人になれる人とその順位を見ていきましょう。
順位 | 相続人 |
常に相続人 | 被相続人(亡くなった人)の配偶者 |
第1順位 | 被相続人(亡くなった人)の子 ※(養子も含む。子が既に死亡している場合は孫) |
第2順位 | 被相続人(亡くなった人)の父母(直系尊属) |
第3順位 | 被相続人(亡くなった人)の兄弟姉妹 ※(兄弟姉妹が既に死亡している場合は甥・姪) |
※代襲相続といいます。
基本的にはこれが相続人になります。
逆に被相続人と深いつながりがありもらえるだろうと思っていても相続人になれない人も見ていきます。
孫(代襲相続で相続人になる場合や養子縁組をしている場合は除く) |
内縁の妻・夫 |
離婚した元配偶者 |
義理の息子・娘(息子の妻など) |
再婚相手の連れ子(養子縁組している場合は除く) |
相続欠格・相続排除で相続できない人 |
内縁の妻・夫はもちろん、離婚した元配偶者も相続人になれませんので注意が必要ですね。
相続人になれる人、なれない人は家族間では簡単に判断できそうですが、必ず戸籍調査をする必要があります。
家族が知らない以下のような相続人がいる可能性があるからです。
愛人との間に生まれた子を認知していた |
離婚した配偶者との間に子がいた |
知らない人と養子縁組していた |
上記の相続人は、故人が隠していても戸籍には記録されます。逆に記録されていなければ相続人にはなりません。
また相続人が死亡している場合、代襲相続人を確定させる必要がありますので、死亡している相続人の戸籍も調査する必要があります。
遺産相続が全て終わって相続人が漏れていた場合はその相続が無効になってしまうため、必ず相続人を確定させましょう。
もし不安があるなら弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると数万円程度の報酬がかかりますが、簡単かつ正確に相続人を確定することができます。
③遺産の調査
相続人が確定したら実際の遺産を調査します。
遺産にはプラスとマイナスの遺産がありますので注意が必要です。
まずはプラスに遺産の大まかな物をご紹介いたします。
種類 | 具体的な内容 |
現金・預貯金 | 現金・普通預金・定期預金・外貨預金など |
不動産 | 土地・家屋・借地権・借家権など |
有価証券 | 株式・債権・投資信託・ゴルフ会員権など |
動産 | 自動車・貴金属・骨董品・美術品など |
その他 | 知的財産権(著作権)、生命保険、退職金など |
マイナスの遺産例
種類 | 具体的な内容 |
借金・負債 | 住宅ローン・自動車ローンなど |
未払い金 | 未払いの税金(固定資産税・所得税など)・公共料金・クレジットカードなどの支払など |
④相続方法の選択(3ケ月以内)
遺産を調査した結果、相続方法を選択します。
・単純承認
プラスとマイナスの遺産の全てを相続する
・限定承認
プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続すること。
簡単に言うと1000万円のプラスの遺産があり、3000万円のマイナスの遺産がある場合、
プラスの1000万円の遺産とマイナスの1000万円の遺産を相続するということです。
???と思うかもしれませんが、例えば手元に実家を残したい場合など固有の財産を残したい場合ですね。マイナスが多いからと言って全て相続放棄するより、残したい財産がある場合にはとっても有効ですね。
上記の例で言えば
実家が1000万円(プラスの遺産)
借金が3000万円(マイナスの遺産)
の場合でも1000万円だけ払えば実家を所有することができ、借金の2000万円は返済する必要がありません。
・相続放棄
相続を放棄し、プラスの遺産、マイナスの遺産全てを引き継がないということ。
この選択は相続を知った日から3ケ月以内に選択しなければなりませんので注意が必要です。
⑤遺産分割協議
遺産を相続することを選択した場合で、遺言書が無い場合、相続人全員でどのように遺産を分かるか協議しましょう。
遺産分割協議書をを作成し、相続人全員の記名・押印で遺産分割協議は完了します。
全員の同意が得られない場合は、家庭裁判所での調停や審判に委ねます。
⑥相続税の申告・納付(遺産が控除額以内なら不要)
遺産分割協議が完了し、実際に遺産を受けとる場合、遺産の合計額が相続税の基礎控除金額を超える場合に限り相続税の申告・納付する必要があります。
相続税の基礎控除額は、3000万円+600万円X相続人の人数となり、
遺産の合計額がその金額以下であれば相続税の申告・納付の必要はありません。
相続税の納付期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ケ月以内にする必要があります。
詳しくは不動産相続税について学ぼうをご覧ください。
⑦遺産の名義変更
預貯金、不動産、株式などの相続手続きを進め、それぞれ名義変更を行います